プゥコメモル

プゥコさまのご帰還

相方が在宅勤務になって半年が過ぎた。

それぞれ、自分の巣に閉じこもっているので、
お互い、いてもいないようなもので、
用事があっても、ラインで済ませる。

お昼だけ、私がご飯を用意して、
テレビを見ながら同じ時間に食べるが特に会話もない。
ドライフラワーのように乾いた世界である。

ところが、プゥコが帰ってくる音がすると、
大人たちは一斉に巣から出て活性化する。
プゥコも心得たもので、
どちらかが忙しくて顔をだせないと
「きたよ!」とか「おかーさん!」とか、
大声で、お迎えに来いアピール!

玄関から洗面所まで、コートを脱ぎ捨て、
ランドセルをほうりだしながら歩くプゥコ。
私がそれをせっせと拾って歩く。
その間、
「今日いいことあった?」「図工なにやった?」
「席替えした?」「宿題なに?」
「暑かった?寒かった?」「プリントある?」
質問責めをうれしそうに受けるプゥコは、
思わせぶりに答えたり、答えなかったり。
大人を手のひらで転がすのを楽しんでいる。
私も、転がされていると知りつつも、
数時間ぶりに会うプゥコに浮かれている。

これが、一人っ子さまご帰還の実態である!

疲れて帰ってきたらしく玄関で生き倒れたふりをしている。こんなショートコントがはじまる日もある。