お口をあーん
風邪で小児科へ行った。
 具合が悪いせいか
 機嫌も壮絶に悪いプゥコ。
女医さんに
 「お口あーんしてー」
 と言われて、
 口を真一文字に結んだ。
看護婦さんと私とお医者さんで
 説得がはじまった。
「これで終わりだから」
 「ライオンさんのおっきいお口だよ。あーん。」
 「あら、お口あけないといつまでも帰れないよ。」
 「先生と一緒にあくびしてみようか。」
ここでプゥコの口が第二形態に変化。
 ちゅーのくちになってしまった。
「あーあー、たこさんになっちゃったね。」
と先生。
 その後も口を開けようとしないので、
「では、やりますか。
 かわいそうだけど。
 おさえててもらえます?」
ついに強行手段にでるつもりだ。
 無理矢理こじあけるつもりだ。
 その時、私は思いついた。
「プゥコ!お口あけたらこんぺいとうあげるよ。」
パカッ!
危機一髪であきました。

